フキダシ編集ツール

フキダシ・スタジオ 操作マニュアル

できあがったマンガ・コミックのページ画像を、そのまま画面上で直すツール。中の文字の誤字を直す/フキダシごと置き直す/余分なフキダシを消す、の3つを1本でできます。どんなツールで作った画像でも使えます。

1. これは何をするツールか

画像生成AIでマンガ・コミックのページを作ると、フキダシの中の文字が誤字・脱字になったり、話者と違う所を向いたフキダシが生えたりすることがあります。このツールは、すでにできあがった画像の、そういう壊れた所だけを人の目で見て画面上で直すためのものです。作り直しではなく「直す」ので、絵はそのまま活かせます。

直せることは3種類

  • 中の文字が誤字・脱字 → フキダシをクリックして中を白(またはその場の地の色)で消し、正しい文字を縦書きで打ち直す。
  • フキダシ自体が間違っている(尻尾が別人を向いている=話者が違う、位置が悪い) → 古いフキダシを消し、自分でフキダシを置き直す。
  • 余分なフキダシが生えている → 消すだけ。
どんな画像でも使えます
  • 特定の生成AIサービスや特定のツールで作った画像である必要はありません。フキダシ入りのページ画像(JPG/PNG)が連番のファイル名で1つのフォルダに入っていれば、それだけで開けます。
  • 台本や脚本のテキストファイルは無くても問題なく使えます(無い場合は、直したいセリフをその場で自分でタイプするだけです)。

2. 起動のしかた

起動

アプリをダブルクリックするだけ

Python等の追加インストールは不要です。フォント・画像処理に必要なライブラリはすべてアプリの中に含まれています。アプリのアイコンをダブルクリックすると起動します。フォルダは起動後に「📂 フォルダ選択」から指定してください。ファイル名は P001.jpg のような形でなくてもよく、フォルダ内の画像(JPG/PNG)をファイル名の順にページとして読み込みます。

初回起動時の警告について(Mac)

署名していない配布物のため、初回起動時にMacが「開発元が未確認のため開けません」といった警告を出すことがあります。その場合は、アプリを右クリック(またはControlキーを押しながらクリック)→「開く」を選んでください。以後は通常どおりダブルクリックで開けます。Windows版でも同様に SmartScreen の警告が出ることがありますが、「詳細情報」→「実行」で進められます。

パスワードを聞かれたら
  • 起動時にライセンス認証の画面が出ます。お渡ししたパスワードを入力して「認証」を押してください(Enterキーでも進めます)。
  • パスワードは月ごとに変わります。一度通すと、その月のあいだは入力を求められません。月が変わると、新しい月のパスワードを1回だけ入力します。月初めの数日間は、先月のパスワードもそのまま使えます。
  • このツールはメンバーシップの研究員プラン(980円)用です。見習い研究員プラン用のパスワードを入力すると「このツールは研究員以上のプラン用です」と表示され、使えません。
  • 認証のたびにインターネット接続が必要です(日付をネットで確認するため)。つながらないと「通信エラー」になります。
ライセンス認証の画面
🖼スクリーンショット未生成
起動直後のライセンス認証画面。パスワードを入れて「認証」。

3. 画面の見取り図

左に「ページ一覧」、中央に「ページ画像」、右に5つの操作ブロック、下に「操作ログ」。確定と保存はヘッダーの小さいボタン列にあります。

フキダシ・スタジオの全体画面(起動直後)
🖼スクリーンショット未生成
実際の画面(フォルダを開いた直後、🎯 直す・消すモード)。台本ファイルが無いフォルダなので「2. このページのセリフ」欄は空のままです。
ヘッダーのボタン列
🖼スクリーンショット未生成
ヘッダーのボタン列。「📂 フォルダ選択」で画像のフォルダを開き、「🆕 設定クリア」は開いているフォルダと編集の記録を忘れて起動直後の状態に戻します(保存済みのファイルは残ります)。「✅ 適用」〜「💾 保存」は、ページ全体をスクロールしても常にここに見えています。

4番の枠は、選んだモードで中身が入れ替わります。 🎯 なら「4. 塗る色」、💬 なら「4. フキダシの形」。「5. 文字」はどちらのモードでも出ます。

「検品の指摘」欄について
  • 右上「1. ページ」の中に「🚨 検品の指摘」という欄がありますが、これは校正ツールと連携させたときに使う欄です。何も連携していなければ常に「(指摘なし)」と出るだけで、無視して構いません。

4. 「やること」は2つだけ

右パネル「3. やること」で選びます。ページ一覧・セリフ一覧・確定と保存はどちらのモードでも共通なので、同じページの中で自由に行き来してよいです。

やること画面での操作
🎯 直す・消す クリック=フキダシを自動で検出
ドラッグ=四角で範囲を指定
そのあと文字を書けば書き直し、空のままなら塗って消すだけ →「✅ 適用」
💬 フキダシを置く 何もない所をドラッグ → フキダシが出る。△を引っぱって話者へ尻尾を向ける

「3. やること」の右にある ❓ ボタンを押すと、各モードの説明とキー操作をまとめた別ウィンドウが開きます。

❓ ボタンで開く使い方ウィンドウ
🖼スクリーンショット未生成
❓ を押すと開く「使い方」ウィンドウ。

5. 誤字を直す・余分なフキダシを消す(🎯)

1ページに複数の直したい所があれば、フキダシごとに 2〜4 を繰り返します。

  1. ページを開く。左の一覧をクリック、または「◀前へ / 次へ▶」で移動する。
  2. 直すフキダシの内側をクリックする。白い部分を自動で検出し、中の黒い文字は「穴」として吸収されます。検出した範囲がログに出ます。水色の枠がプレビュー表示されます。
  3. 正しい文字を「✏️ 文字編集」欄に打つ(Enter で改行)。縦書きの組み上がりがその場でプレビューされます。
  4. 確定する。「✅ 適用」を押すか、編集中の枠の中をダブルクリックする。この修正が1件、記録されてプレビューに反映されます。まだファイルには保存されていません。
  5. 他に直したい所があれば 2 に戻る。すべて直したら「💾 保存」。左の一覧のそのページに ✅ が付きます。
フキダシをクリックして自動検出し、正しい文字を打っている状態
🖼スクリーンショット未生成
誤字入りのフキダシをクリック→自動検出→正しい文字を打ったところ(まだ「✅ 適用」前)。
適用後、フキダシが直った状態
🖼スクリーンショット未生成
「✅ 適用」した後。右上「2. このページのセリフ」に、いま打った文字が「✏️追加」として一覧に残る(下記8章参照)。
消すだけ

余分なフキダシは、文字を空にして適用するだけ

クリック(またはドラッグ)した後、「✏️ 文字編集」欄を空のままにして「✅ 適用」すれば、そこは塗って消すだけになります。

余分なフキダシをクリックして検出し、文字を空にした状態
🖼スクリーンショット未生成
余分なフキダシをクリックして検出。文字欄は空のまま「✅ 適用」すれば消すだけになる。
やり直し

適用したものを、あとから呼び出して直せる

「✅ 適用」したものは記録として残るので、あとから何度でも直せます。直した所をもう一度クリックすると、そのとき入れた文字・書体・色・大きさ・枠が戻ってきます。「✅ 適用」ボタンの文字が「✅ 置き換え」に変わります。直して再度「✅ 適用」を押すと、同じ記録を置き換えます(件数は増えません)。

ドラッグ

四角で範囲を指定する(クリック検出がうまくいかないとき)

同じ 🎯 のまま、フキダシの内側をドラッグして四角で囲むこともできます。囲んだ範囲をまるごと塗ってから、そこに文字を打ちます。

四角はフキダシの線からはみ出さないこと

四角がフキダシの輪郭線をまたぐと、その線も一緒に消えてしまいます。リアルタイムプレビューで確認しながら、はみ出していたら四角を縮めてください。

6. フキダシを置く(💬)

フキダシは画像素材ではなくその場で計算して描いています。だから拡大縮小してもボケず、線の太さ・尻尾の向き・もこもこの数まで数字で調整できます。

手順

置く → 尻尾を向ける → 文字を入れる

  1. 「3. やること」で 💬 フキダシを置く を選ぶ。「4. フキダシの形」パネルが出てくる。
  2. 置きたい場所をドラッグする。フキダシが出る(既定は⬭楕円)。
  3. オレンジの △ をドラッグして、しゃべっている人の口元へ尻尾を向ける。枠ごと動かせば尻尾も一緒についてくる。
  4. 「✏️ 文字編集」欄にセリフを打つ。
  5. 大きさ・形を整えて「✅ 適用」。
何もないコマにフキダシを新しく置いている状態
🖼スクリーンショット未生成
ドラッグでフキダシを置いたところ(まだ「✅ 適用」前)。緑の点線ハンドルと △(尻尾)が編集用に表示されている。
形

5つの形と、形ごとの調整

既定は「⬭ 楕円」(一番よく使う形のため)。「4. フキダシの形」の一覧から他の形にも選び直せます。

💬 普通角の丸み(R)を調整できる
⬭ 楕円ふくらみを調整できる(大きくすると四角寄りにふくらんで文字が入りやすくなる)
💭 思考(雲)もこもこの大きさと数(数は 0=自動)
💥 叫びトゲの深さ(小さいほど鋭い)と数(数は 0=自動)
▭ ナレーション角の丸み(0で角ばった四角)。初期状態では尻尾が付かない
4. フキダシの形パネル
🖼スクリーンショット未生成
「4. フキダシの形」パネル。数値欄は「角・線・尻尾・数」の1行にまとまっている。
尻尾は形と切り離してある
  • 尻尾の種類は 🔺 三角(ふつう) と ⚫ 丸(思考の点線状) の2つ。どの形にもどちらでも付けられる。「尻尾」のチェックを外せば尻尾なしにもできる。
  • 数字の入力欄(角・線・尻尾・数)はすべて直接打ち込む欄(横の矢印でも変えられる)。
文字エリア

緑の点線=文字が入る範囲。中身だけ動かせる

フキダシを置くと、その形から文字が入る四角(緑の点線)が自動で決まる。絵の都合で文字だけ寄せたいときは、option(WindowsはAlt)を押しながらドラッグすれば、フキダシは動かさず文字だけ動かせます。

色

フキダシの中の色・線の色

「4. フキダシの形」の下にある「🎨 中の色」「線の色」で変えられます。黒地に白抜きのフキダシなど特殊な演出にも使えます。文字の色は「5. 文字」の側で別に指定します。

7. 塗る色(自動で地の色を拾う)

🎯 のときに右パネル「4. 塗る色」に出ます。ふだんは「自動」のままでよい。

画像生成AIが描くフキダシは純白ではないことが多く(オフホワイト、クリーム色、夜のコマなら灰色)、純白で塗ると四角い明るい継ぎ足しが見えてしまいます。「自動(地の色を拾う)」にチェックが入っていれば、選んだ場所の地の色をその場で拾って塗ります。

  • クリックで検出したときはそのフキダシの中の色を、ドラッグで四角を指定したときはその四角の中で一番多い色を拾う。中の文字(黒)は少数派なので混ざらない。
  • 枠を動かしたり大きさを変えたら、その場所の色を拾い直す。
  • 色見本を押せば手で決められる(押した時点で「自動」のチェックは自動的に外れる)。黒地のページなどで使う。
グラデーションのフキダシだけは継ぎ目が残る

フキダシの中が上から下へ色が変わっている場合、1色で塗る以上どうしても端に段差が出ます。そのときは色見本から手で中間色を選ぶか、範囲を小さく分けて塗ってください。

8. ページ一覧・セリフ一覧

左端:ページ一覧

✅このツールで保存済み
・まだ手を入れていない

行をクリックすると、そのページへジャンプします(未保存の編集があれば確認ダイアログが出ます)。

左端のページ一覧
🖼スクリーンショット未生成
左端のページ一覧。保存すると ✅ が付く。

右上:「2. このページのセリフ」

ここには2種類の行が並びます。

  • 台本の行:専用フォーマットのテキストファイル(script.yaml)を画像と同じフォルダに置いている場合だけ表示されます。無くてもツールは問題なく使えます(このリストが空のままで、直接「✏️ 文字編集」欄に打ち込めば同じように使えます)。
  • ✏️追加の行:新しく打った文字、または直して変わった文字が、編集するたびに自動でここに積み上がっていきます。クリックすると、その編集を位置ごと呼び戻せます(もう一度手を入れたいときに便利です)。
✏️追加についての細かい注意
  • 文字を書かずに消しただけの編集は、この一覧には出ません(選び直したいときは画像を直接クリックしてください)。
  • 同じ文言の編集が複数あると、一覧には最初の1件しか出ません。

9. 文字の調整(書体・色・サイズ・改行)

右「5. 文字」。🎯 でも 💬 でも同じように効きます。すべてリアルタイムで反映されます。

5. 文字パネル
🖼スクリーンショット未生成
「5. 文字」パネル。文字色・強調色は実際の色がそのまま見える四角。サイズは数字を直接打ち込む欄。
🅰 書体この環境にインストールされている日本語フォントから選べます。初期値は同梱のマンガ向け書体で、追加インストール不要でそのまま使えます。
🎨 文字色色見本(実際の色がそのまま見える四角)を押すとカラーピッカーが開きます。
✨ 強調色セリフの一部だけ色を変えたいとき用。「✏️ 文字編集」欄で、色を変えたい部分を半角アスタリスクで囲む(例:これは *強調* です)。
🔤 サイズ「自動」チェックON=枠に収まる最大級数を自動決定。OFF=右の数字欄に直接打ち込んで手動指定できます。
改行「✏️ 文字編集」欄で Enter を押すと改行になり、縦書きではそこで必ず次の列へ送られます。
縦書きの体裁は自動で整います
  • 句読点・長音・小書き仮名の位置調整、行頭行末の禁則処理、句読点のぶら下げ、2桁数字の縦中横などを自動で処理します。難しい設定は不要です。

10. キーボード操作

← → ↑ ↓枠(フキダシ/流し込み枠)を1pxずつ移動。フキダシなら尻尾も一緒に動く
Shift + 矢印枠を1pxずつ伸縮
option + 矢印
(Win: Alt)
💬 のとき、中の文字だけ1pxずつ移動
option + Shift + 矢印💬 のとき、文字エリアだけ1pxずつ伸縮
枠の中を
ダブルクリック
「✅ 適用」と同じ=確定する
⌘Z
(Win: Ctrl+Z)
ひとつ戻す。確定した編集も、まだ確定していない作業も、やった順の逆に1つずつ戻ります
⌘⇧Z
(Win: Ctrl+Y)
ひとつやり直す(戻すの逆)

11. 保存とファイルの扱われ方

「直したものが正規版」になります。直す前のものは 旧版/ フォルダへ自動で退避されるので、元の絵が失われることはありません。

出力フォルダ/
  P001.jpg                ← いつでも「いま一番新しい」=正規版
  P001.edits.json         ← 編集の記録(これが編集状態の正)
  P002.jpg
  旧版/
    P001_old.jpg          ← 一番最初に退避したもの=手を入れる前の原本
    P001_old.edits.json
    P001_old2.jpg         ← 2回目の保存で退避(以降 _old3, _old4…)
  • 直したものが P001.jpg になります。別名のファイルは作られないので、ファイル一覧が素直に並びます。
  • 直す前のものは 旧版/ へ移動します。1回目の保存で 旧版/P001_old.jpg、2回目で 旧版/P001_old2.jpg…と番号が大きいほど新しい退避版です。上書きで消えることはありません。
  • 旧版/P001_old.jpg(番号なし)は必ず「手を入れる前の原本」。元に戻したくなったら、これを P001.jpg に戻せば元通りです。
何度保存しても劣化しません
  • 編集は1件ずつ「記録」(P001.edits.json)として貯まり、画面の絵は毎回「原本+記録を順に再生」で組み直しています。だから何度保存しても劣化せず、あとで開き直しても1件ずつ呼び戻して直せます。
「適用」と「保存」は別物

「✅ 適用」(または枠の中のダブルクリック)=いま作っているものを記録してプレビューに反映(まだメモリ上)。「💾 保存」=ページ全体をファイルに書き出します。適用しただけで次のページに移ろうとすると、保存を促すダイアログが出ます。

できあがったら

  • P001.jpg をそのまま完成原稿として使ってください。
  • P001.edits.json は「あとで直す」ための記録です。完成原稿として配るときは無くても構いません(消しても P001.jpg は残ります。ただし1件ずつ呼び戻して直すことはできなくなります)。
  • 旧版/ フォルダも、完成後に配布するときは丸ごと外してよいです。

12. うまくいかないとき

フキダシ以外の白い所も拾える人物の服・壁など、フキダシでない白い領域もクリックすれば検出してしまいます(原理的に避けられません)。検出サイズはログに出るので、想定より大きい/小さいときは気づけます。「↩️ 戻す」で取り消してやり直してください。
ページ全体を拾ってしまうフキダシの外側(背景)をクリックすると、ページ全体を掴もうとします。画像の端に3辺以上接する領域は自動で拒否し、案内が出ます。もっと内側をクリックするか、ドラッグで囲んでください。
文字が消え残る元の文字がフキダシの輪郭線に癒着していると、白で消しても残ることがあります。その場合は文字を空にしたまま「✅ 適用」で塗ってから、必要ならドラッグした四角で上塗りしてください。
「枠が小さすぎて文字が入りません」流し込み枠が狭すぎます。矢印キー/ハンドルで枠を広げるか、文字数の多いセリフなら「自動」のままにしてください。
option+ドラッグが効かない文字エリア(緑の点線)の操作なので、💬 でフキダシを置いているときだけ効きます。🎯 では枠そのものが文字の入る範囲です。
文字を書き忘れて適用したその範囲が塗られる(=消える)だけになります。「↩️ 戻す」で取り消せます。
右側のボタンが見えない右パネルの上でマウスホイールを回すか、右端のスクロールバーで下げてください。ウィンドウを縦に広げても構いません。
起動時に警告が出る/開けない「2. 起動のしかた」の「初回起動時の警告について」を参照してください。